新宿へ、古いカメラを買い取ってもらいにいった。家の防湿庫にHasselが加わり、保管スペースが確保できなくなったこともあるけども、使わないカメラをすっきりさせたかった。持って行ったのはNikon-F2、Olympus-6とYashicaのレンジファインダーだ。手放してしまうと、Yashicaは持っておけばよかったな・・などと思ってしまうが、多分もう使うことは無いのだ。実用で言えば、今持っているカメラはPentaxの1眼とそのレンズ3本で19mm〜300mmまで使用可能だし、レンジファインダーZeiss-Ikonでは28mm・35mm・50mm・90mmのレンズが使える。中判カメラはPrimo-FとHasselだ。これだけあれば十分すぎるだろうと思う。
さて、なんだかんだと言って写真生活は続いている。今回アップした写真は代々木あたりの路上で撮ったものだ。東京の中心は大勢の人で溢れているイメージが強いけども、都心部でも人がほとんどいない、「よどみ点」のような場所が多くある。写真に写っている場所もそんな場所のひとつだろう。なんとなく不思議な景色だ。こんな場所が人の生活の場だと考えると、田舎者の自分にとっては幻想的にも感じる。

ふと、「ゲニウス・ロキ(地霊)」という言葉を思い出した。昔読んでいた建築の本にあった言葉で、現代建築において「ある場所の特有の雰囲気」を指す言葉のようだ。なんとなく街の写真を撮っていて気付くことは、この「地霊」は確かに存在しているという事だ。それは道路や壁に染み付いているようにも感じられ、地面から発せられているようにも感じる。先天的に「明るい土地」・「暗い土地」がありそうなのも興味深く思っている。
よく、街を撮る理由を聞かれることがある。いつも答えるのに困るのだけど、多分、簡単に言えば、その場所特有の雰囲気に興味があるからなのだ。なんらかこの「地霊」が意味するところに惹きつけられているのだと思う。

ゲニウス・ロキ
http://www.kotono8.com/wiki/%E3%82%B2%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%AD